誰もがありのままの自分でいられるために
性的マイノリティの精神的な負担
「親を悲しませたくない」「きっと誰にも理解してもらえない」「異常だと思われないか」、といった悩みをかかえているケースが多いため、ありのままの自分を隠し、周囲に合わせようとします。
その結果、自己肯定感や自尊感情が低下し、自殺を考えたり、自殺未遂に至るケースも少なくありません。
ゲイ・バイセクシュアル男性は、異性愛者と比較して、自殺未遂リスクが6倍も高いというデータもあります。
こうした調査から、性的マイノリティが大きな心理的なストレスや生きづらさを感じていることがうかがえます。
自分の身近な人が、性的マイノリティかもしれないと考えたことはありますか?
性的マイノリティは、様々な調査により、人口の3~5%と推定されています。これは、学校で考えるとクラスに一人の割合程度で存在することになります。しかし、それほど多いように実感されないのは、性的マイノリティが、ありのままの自分を隠している、または隠さざるを得ない状況にあるからだと考えられます。
性的マイノリティについては、社会や学校でも十分に理解が進んでいない状況にあります。たとえば、学校でLGBTについて授業で取り入れた教員は、約14%にすぎません。
誰もがありのままの自分でいられるために
性的マイノリティが、ありのままの自分でいられるようになるために、学校や社会でできることはたくさんあります。
たとえば、保健室や図書館に性的マイノリティに関する書籍を置く、目に触れやすい場所にポスターを掲示する、公共の相談窓口を設ける、授業で多様な性について正しい知識を伝えるなどが、すべて肯定的なメッセージとなり、「ありのままの自分でいいんだ」と感じることでしょう。
こうした地道な取り組みが、自尊感情や自己肯定感を高めることにつながります。
また、性的マイノリティが、安心して集える場所づくりも重要な課題です。